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メタルフリー治療について

メタルフリー治療とは

メタルフリー治療とは金属を使わない、身体にやさしい審美歯科治療のことです。虫歯治療の際、歯を削った後に詰めたり被せたりする修復物として、これまでは保険適用の「銀歯(いわゆる金属の詰め物・被せ物)」が一般的でした。

しかし最近では、金属を使用しない「メタルフリー治療」が注目されています。
詰め物や被せ物に金属を使わず、主にセラミックなどの生体親和性に優れた素材を用いる治療法がメタルフリー治療です。

メタルフリー治療が選ばれる理由

金属製の修復物にはいくつかのデメリットがあります。

見た目が目立ちやすい:銀歯は口を開けたときに目立ってしまい、特に前歯や笑ったときに銀色が見えるのを気にされる方も多くいらっしゃいます。

虫歯の再発リスク:金属は歯との密着性がやや劣るため、わずかな隙間から虫歯菌が入り込み、虫歯が再発する可能性があります(いわゆる「2次虫歯、2次カリエス」のことです)。

金属アレルギーのリスク:使われる金属の種類によっては、金属アレルギーを引き起こすこともあり、全身の不調につながるケースも報告されています。

経年劣化や変色:金属は時間とともに黒ずんだり、歯ぐきとの境目が黒く変色したりすることがあります。

水銀を含むアマルガムの危険性

歯科治療では、銀やパラジウム、ニッケル、コバルト、クロムなどの重金属が使われてきました。これらは長期間体内にあることで、さまざまな健康被害を引き起こすことが分かってきています。

特に注意が必要なのが「アマルガム」と呼ばれる詰め物です。
唾液や食べ物の酸で徐々に腐食し、噛むときの摩擦で水銀を含む蒸気を発生させます。こうして発生した水銀は、少しずつ体内に取り込まれ、毒素として蓄積していきます。

アマルガムは昭和30年代から平成初期まで、保険診療の対象として広く使われていました。そのため、現在40代以上の方の多くが、いまだに口の中にアマルガムを残している可能性があります。

歯科金属が原因で起こる症状とは?

これらの金属は「有害ミネラル」とも呼ばれ、体内に蓄積されて排出されにくくなると、次のような不調を引き起こすことがあります。

☑肌荒れ、アレルギー性皮膚炎
☑不眠、慢性的な疲労感
☑頭痛や肩こり
☑胃腸の不調
☑うつ症状や脱毛 など

特に歯科金属アレルギーは、ある日突然、手や顔に赤いブツブツが出たり、指先がかゆくなったり、手のひらに湿疹が現れたりと、皮膚症状として出るケースが多いのが特徴です。

古い金属の詰め物は交換をおすすめ
現在の20代以下の方は、アマルガムが使われている心配はほとんどありません。しかし、40代以上の方は口の中に古い金属が残っていないか、一度チェックすることをおすすめします。たとえ症状がなくても、古い金属は経年劣化により歯に合わなくなり、虫歯や歯周病の原因になることもあります。健康と口の老化を防ぐためにも、プラスチック系樹脂やセラミックなど、金属を使わない素材(メタルフリー)に交換することを推奨します。

セラミックを使ったメタルフリー治療のメリット

歯を失わないためには定期検診が必要不可欠当院では、これらのリスクを避け、見た目・機能・身体へのやさしさを兼ね備えたセラミック素材による治療をご提案しています。

 

天然歯に近い自然な色合いと透明感

高い耐久性と変色しにくさ

虫歯の再発を抑えやすい精密なフィット感

金属アレルギーの心配がない安全性

 

保険診療との違いについて

セラミック治療は健康保険の適用外となるため、費用面では保険診療に比べて割高になりますが、長期的な安心感・審美性・健康への配慮という面で多くの患者さまに選ばれています。

「銀歯を白くしたい」「健康面が気になる」「できるだけ再治療を避けたい」といったご希望をお持ちの方に、メタルフリー治療は特におすすめです。

メタルフリー治療の素材について

1. オールセラミック

すべてがセラミック(陶材)で作られている素材です。

項目 詳細
特徴 天然歯に近い自然な透明感と白さ。見た目の美しさを重視する方に最適。
メリット 変色しにくく、金属を使わないため金属アレルギーの心配がない。
デメリット 強い衝撃で割れる可能性があるため、奥歯には注意が必要な場合も。
2. ジルコニア

非常に硬くて丈夫な「ジルコニア(人工ダイヤモンドの素材に近い)」を使った素材です。

項目 詳細
特徴 耐久性が高く、奥歯の被せ物にも適しています。
メリット 高強度で割れにくく、歯ぎしりがある方にも向いています。
デメリット オールセラミックに比べてやや透明感が劣る場合がありますが、審美性も高い。
3. e.max(イーマックス)

ガラス系のセラミック素材で、強度と美しさのバランスが取れている新しい材料です。

項目 詳細
特徴 透明感があり、色調再現性にも優れています。
メリット 見た目がとても自然で、前歯や目立つ部分の治療におすすめ。
デメリット 極端に強い力がかかる部位では割れることもあるため、ケースに応じて適用判断が必要。

素材の選び方について

治療部位(前歯か奥歯か)、噛み合わせの強さ、審美性の優先度、ご予算などによって適した素材が異なります。当院では、カウンセリングの際にそれぞれの素材の特徴や費用を丁寧にご説明し、最適な治療法をご提案しています。

メタルフリー治療の症例

症例1

【上顎】

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【下顎】

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項目 詳細
患者様データ 60代 男性
来院時の主訴 皮膚科に行ったら金属アレルギーで歯医者に行って下さい、と言われた。
医院の診断 金属アレルギー、アマルガム等の金属修復物による審美障害
通院期間 1年
来院回数 15回
治療費 総額:1,130,000円(税抜)

【内訳】

ダイレクトボンディング80,000円×6
ダイレクトボンディング(前歯すきっ歯治療)85,000円×2
セラミックインレー80,000円×3
セラミッククラウン120,000円×2

リスクと副作用 定期的なメンテナンスが必要
ここがこだわりのポイント!☝ 経年劣化により健康被害を引き起こす可能性のあるメタルを全て取り除き、メタルフリー治療を行いました。

症例2

【上顎】

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【下顎】

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項目 詳細
患者様データ 20代 男性
来院時の主訴 笑うと金属が目立って笑えない。
医院の診断 アマルガム等の金属修復物による審美障害、多発性の虫歯
通院期間 半年
来院回数 10回
治療費 総額:755,000円(税抜)

【内訳】
ダイレクトボンディング70,000円×5
セラミックインレー80,000円×4
セラミックオーバーレイ85,000円
リスクと副作用 定期的なメンテナンスが必要
ここがこだわりのポイント!☝ 詰め物の種類だけでなく、接着材の種類・接着前の徹底的な歯面の清掃や乾燥など、こだわり抜いて治療を行っています!ただ見た目だけを改善するのではなく、それが長期に安定するようそこに至るまでの工程を大切にしています。

症例3

【正面】

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【上顎】

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【下顎】

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【レントゲン】

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項目 詳細
患者様データ 40代 女性
来院時の主訴 口の中全体を健康的に綺麗に治したい
医院の診断 金属修復物による審美障害
通院期間 1年
来院回数 20回
治療費 総額:1,920,000円(税抜)

【内訳】

精密根管治療320,000円(前歯・小臼歯・大臼歯の計4本の合計)
ファイバーポストコア(歯の補強)20,000円×4
セラミッククラウン120,000円×8
セラミックインレー80,000円×7

リスクと副作用 定期的なメンテナンスが必要
ここがこだわりのポイント!☝ 金属を使用した補綴治療は審美障害を呈するだけではなく、見えない部位から病気が見つかることが多くあります。この患者様の場合、過去に神経治療した外から見えない部位に細菌感染があったため、それを取り除いた上で審美的改善を行っています。