TOPへTOPへ

歯肉退縮の治療

歯肉退縮の治療方法
【歯茎が下がっている方へ】

歯の周りの歯茎が減少し、本来歯茎に覆われている歯根が露出した状態のことを歯肉退縮といいます。歯肉退縮は加齢や歯周病の進行、強い力での過度な歯磨き、歯ぎしりや食いしばり、喫煙、ホルモンの変化、矯正治療による影響などさまざまな原因で起こります。歯肉退縮が起きると、歯が長く見えるなどの審美的な問題だけでなく、歯根が露出していることによる知覚過敏や、歯のぐらつき、むし歯の発症リスクなどを高めてしまいます。歯肉退縮は進行すればするほどさまざまなリスクを高め、治療による回復も難しくなってしまいます。歯肉を回復させるためには、適切な時期に歯肉形成外科などの治療を行う必要がありますので、お気軽にご相談ください。

主な原因
  • 歯周病:歯を支える骨や歯肉が炎症で破壊されることで歯肉が下がる

  • 加齢変化:年齢とともに歯肉や歯槽骨が少しずつ減少する

  • 不適切なブラッシング:力の入れすぎや硬い歯ブラシの使用で歯肉が傷つく

  • 噛み合わせの不調和:特定の歯に過剰な力が加わることで歯肉が退縮する

  • 歯並びの影響:歯が外側や内側に傾いている場合、周囲の歯肉が薄くなり下がりやすい

主な症状

歯肉退縮が進行すると、まず見た目に変化が現れます。歯ぐきが下がることで、歯が実際よりも長く見えるようになり、審美的な印象に影響を及ぼします。

また、歯の根の部分が露出することにより、知覚過敏が生じやすくなります。冷たい飲み物や熱い食べ物、ブラッシング時の刺激などに対して強いしみを感じるのは、根面が外部刺激に敏感になっているためです。

さらに、露出した根面はむし歯(根面う蝕)が発生しやすく、また非う蝕性歯頚部病変(知覚過敏や歯の欠損を伴う摩耗・くさび状欠損など)のリスクも高まります。これらの問題は放置せず、早期に歯科で適切な診断と処置を受けることが大切です。

当院では、症状や進行度に応じて予防処置から外科的な根面被覆術まで幅広く対応しております。歯肉退縮が気になる方は、お早めにご相談ください。

放置によるリスク

歯肉退縮をそのままにすると、知覚過敏が悪化するだけでなく、根面う蝕(歯の根の虫歯)が発生しやすくなります。さらに歯周病が進行すると、歯の動揺や喪失にもつながる可能性があります。

治療と予防

当院では、歯肉退縮の原因に応じて以下のような対応を行います。

  • 歯周基本治療(歯石除去やクリーニング)

  • 正しいブラッシング指導(歯ブラシの選び方や力加減の調整)

  • 噛み合わせの診査・調整

  • 必要に応じて歯周再生療法や歯肉移植術といった外科的治療

歯肉退縮は早期に適切な処置を行うことで、進行を防ぎ、健康的で美しい歯肉を維持することが可能です。気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

歯肉退縮による影響について

歯肉退縮が進行すると歯茎が長く見えるという審美的な影響のほか下記のようなリスクもあります。

知覚過敏

歯肉退縮に伴う最も一般的な症状のひとつが 知覚過敏 です。歯肉が下がることで歯の根の部分(根面)が露出し、冷たい飲み物や甘い食品などに対して強いしみを感じることがあります。

このような症状を改善する治療のひとつに 根面被覆術 があります。根面被覆術とは、露出した歯根部分に歯肉を移植し覆うことで、知覚過敏を軽減し、さらに歯の見た目の改善や歯周組織の健康維持にもつながる治療法です。

歯肉退縮や知覚過敏が気になる方は、早めの診査・治療を受けることで快適なお口の環境を取り戻すことが可能です。

歯周病や虫歯のリスク

歯肉退縮は、知覚過敏や審美性の低下だけでなく、口腔内の健康にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。歯ぐきが下がることで歯周組織の保護機能が弱まり、歯周病のリスクが高まるほか、露出した根面はむし歯(根面う蝕)が発生しやすくなる点も大きな問題です。

これらのリスクを防ぐためには、早期の診断と適切な治療が重要です。治療法の一つである 根面被覆術 を行うことで、歯肉退縮の進行を抑え、歯周組織の健康維持や知覚過敏の改善、さらに虫歯リスクの軽減にもつながります。

歯肉退縮が気になる方は、ぜひ一度歯科医院での診査・ご相談をおすすめいたします。

歯肉退縮の治療について

結合組織移植術

歯周病が進行すると、「歯ぐきが下がってきた」「歯が長く見える」といった症状に悩まされる方が少なくありません。こうした歯肉退縮の改善に用いられる代表的な治療法のひとつが 結合組織移植術 です。結合組織移植術では、主に上顎の奥歯の内側などから歯肉の一部を採取し、歯ぐきが下がっている部分に移植します。これにより、痩せてしまった歯肉を補強し、見た目の改善や知覚過敏の予防につなげることができます。また、この手法はインプラント治療に応用されることもあります。さらに、歯肉の退縮が広範囲に及ぶ場合には、無細胞性皮膚基質(火傷治療にも使用される移植材)を活用した移植法を行うケースもあります。患者様の症状やご希望に応じて、最適な治療方法をご提案いたします。

CR充填

CR充填は、歯肉退縮によって露出した歯の根元や歯と歯の間の隙間を埋めて、見た目の改善や知覚過敏を抑える治療法です。治療は短時間で完了することが多いですが、歯肉退縮の根本的な原因である歯周病や歯ぎしりへの対策も必要となり、保険適用外の自費診療になることもあります。

CR充填による歯肉退縮の治療

【治療内容】
歯の色に合わせたコンポジットレジン(白いプラスチック素材)をペースト状で歯の隙間や根元に盛り、光を当てて固めます。

メリット

歯をほとんど削らない、または全く削らずに治療できる場合があります。
短時間で、1回の通院で完了するケースが多いです。
歯肉退縮による知覚過敏の症状を抑える効果も期待できます。

歯肉退縮の治療症例

症例1

Before imageAfter image

 

項目 詳細
患者様データ 50代 女性
来院時の主訴 「昔前歯をぶつけた。歯茎下がりを治したい。」
医院の診断 歯肉退縮・外傷による歯牙破折
通院期間 6か月
来院回数 13回
治療費 総額:410,000円(税抜)

【内訳】
歯肉結合組織移植術250,000円
セラミック治療160,000円
リスクと副作用 定期的なメンテナンスが必要、術後若干の腫れと痛み
ここがこだわりのポイント!☝ 歯茎下がりは80%の確率で悪化する病気です。悪化を未然に予防するよう歯肉の厚みを確保しながら、前歯の見た目の改善を行いました。

症例2

Before imageAfter image

 

項目 詳細
患者様データ 60代 男性
来院時の主訴 「歯茎が腫れた。」
医院の診断 歯肉退縮・セメント質剥離による排膿
通院期間 4か月
来院回数 6回
治療費 総額:150,000円(税抜)

【内訳】
歯周組織再生療法+歯肉結合組織移植術150,000円
リスクと副作用 定期的なメンテナンスが必要、術後若干の腫れと痛み
ここがこだわりのポイント!☝ 治療後、歯茎下がりが解消し、歯肉も健康な状態となった。

症例3

Before imageAfter image
Before imageAfter image

 

項目 詳細
患者様データ 50代 男性
来院時の主訴 「左下の歯が歯磨きでしみる。」
医院の診断 歯肉退縮・歯周病(根分岐部病変)
通院期間 1年
来院回数 12回
治療費 総額:630,000円(税抜)

【内訳】
歯周組織再生療法220,000円
歯肉結合組織移植術170,000円
セラミック治療120,000円×2
リスクと副作用 定期的なメンテナンスが必要、術後若干の腫れと痛み
ここがこだわりのポイント!☝ 歯周病と歯茎下がりを同時に解決しました。歯肉の厚みが増したことで、歯磨きがしやすくなり、歯がしみる症状も改善しました。